【算定基礎届】シンプルに考え不要なことは一切書かないことにした

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◆毎年なぜ「算定基礎届」でなぜ混乱するのか
それはその対象期間に変則がありすぎて、こう書いていいのかと自信を無くすからです。
ですが、直前に別件で年金事務所に聞きにいった時に、健康保険組合の細かい指摘とは違って、悩まずにとにかく対象期間内のことだけを書けばいいのだと感じました。

◆どんなことが起ころうと、4、5、6月の3ヶ月間でチャラなら不要な数字を消す
昇給は年1回4月ですが、そういう人もいれば、5月昇給だったり、5、6月と両月で昇給だったり、6月に4、5月分を遡及払いだったりメチャクチャなのですが、その3ヶ月間で完結してるならそのまま合計を出し、月平均を出す、それだけです。

①給与19万円だった人が4月に1万円昇給で20万円になった場合(これが標準)
 20+20+20=60÷3=20/月
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②給与19万円だった人が4月に1万円昇給で5月に遡及払いした場合
 19+21+20=60÷3=20/月

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③給与19万円だった人が4月に0.5万円、5月にさらに0.5万円昇給で遡及払いをした
 19.5+20.5+20=60÷3=20/月
 
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支払うタイミングは異なっても、3ヶ月間の合計平均で20という結果は同じなので、給与ソフトで計算をかけて表示された〇月〇円昇給とか遡及払い〇円とか、そういうのは全部消しました。

例外として

④給与19万円だった人が3月1万円昇給で4月遡及払い、とかだった場合です。
 21+20+20=61▲1(3月分なので)=60÷3=20/月とし
 備考欄に3月昇給、4月遡及払い1、と記入します。

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 ◆「算定基礎届」で2等級以上の差が生じた場合のみ備考欄に理由を記入する
給与ソフトで算定基礎の計算をかけると細かく表示されます。〇月〇円昇給とか、〇月遡及払い〇円とか
でも備考欄に理由を書くのは、標準月額報酬が2等級以上の差が生じた場合のみなので

  19→20 1等級の差(理由不要)

  19→22 2等級の差(理由必要)
   
例えその期間に昇給していたとしても、差が1等級、もしくは無いのであれば備考欄には記入しませんし、余計な表示はすべて消しました。

◆4月昇給、5、6月に遡及払いした場合は「月額変更」の可能性がないか、以降3ヶ月間の変動を見ておく
「算定基礎届」では、その3ヶ月間にどこで昇給、遡及しようとチャラであれば、不要な表示は消しますが、④の場合は記入、そして遡及払いになった場合は、その月以降の3ヶ月間で2等級以上の差が生 じ「月額変更」にならないか見ておきます。

 例えば上の
 
②給与19万円だった人が4月に1万円昇給で5月に遡及払いした場合
 19+21+20=60÷3=20/月
 (標準報酬月額19→20に9月から適用)

  5、6、7月の合計の月平均で2等級以上差が生じないか見ておきます。

  もし、残業が多く発生して

  21+20+30=71▲1=70÷3=23.3/月となった時は
  (標準報酬月額20→24)

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2等級以上の差が出たので8月で「月額変更」となる届出を提出します。

そしてもし、6月にも1万円昇給、7月に遡及払いだった場合は、7、8、9月でまた見ておきます。

普通の事業所ならこんなことはあり得ないことでしょうけど、ウチの事業所はあるのです。

固定支給となる給与や通勤費に変動があった場合、3ヶ月間の変化を見て2等級以上差が生じたら出すのが「月額変更届」です。

いろいろと変則的なことがあると、3ヶ月間の見守りが必要で忘れないように注意しなければなりません。


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【算定基礎届】4月~6月間に2度昇給があった時はどうする?

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「算定基礎」の対象期間中、変則的なことが何もないのがベストですが、いろいろと起こります。で、「遡及支払」でもうひとつ混乱したことがあります。

期間内に2度昇給者がいました。

前記事の例をまた使って説明すると

給与19万円だった人が4月に1万円昇給後、もう1万円昇給ということで6月遡及支給した場合です。
つまり、昇給額は2万円で、給与が19万円から21万円になった場合です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月 20万円
5月 20万円
6月 21万円+2万円(4、5月遡及支払)=23万円
合計 63万円×1/3=21万円

⑦4月昇給 ⑧遡及支払額---
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは、年金事務所に聞いた後だったので、4~6月間の昇給で完結した場合はチャラだからこれで良いと思って提出してしまったのですが、2万円昇給したことで、

昇給前の標準報酬月額19万円が、昇給後は21万円となり、2等級差がついたので「月額変更」となるわけで、届出書の備考欄の「3.月額変更予定」をマルで囲むべきでした。。。。

「算定基礎届」は、標準報酬に1等級以上の差が出れば、9月より適用(10月控除)となりますが、

「月額変更」は、固定給に変動があった時から3ヶ月間様子を見て、標準報酬に2等級以上差が出た場合は、4ヶ月目に適用となるので、この場合は7月から適用(8月控除)となります。

なので、慌てて「月額変更届」を提出しました。

さらに、この場合は6月に遡及しているので、6、7、8月と3ヶ月間様子を見て、標準報酬に2等級以上差が出たら、9月適用(10月控除)で「月額変更届」を提出しなければなりません。

その可能性は低いですが、残業代がすごく増えた、というような場合は可能性は無くもないです。

「月額変更」は、固定して支給する額の変動なので、通勤費も含みます。なので昇給がない場合でも、引っ越して通勤費が高額になった場合にも2等級以上の差が発生すれば対象となります。

「算定基礎届」と「月額変更届」の違いを理解してないと混乱します。わかっているつもりでも、変則的なことが多発すると頭の中がぐちゃぐちゃになって年金事務所やら健康保険組合に電話で聞いてしまいます。

まあ、わからなくなったら、聞く!それが一番確実だと思いますが(笑)
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【算定基礎届】4月~6月間の昇給遡及支払はチャラだからあえて支払額の記入は不要

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ギリギリで提出した「算定基礎届」まだ、何も問い合わせの電話はありませんが、たぶんいろいろとミスってると思います。

今回から算定基礎届の書式が変更になっていました。上の写真はその一部分、右半分を切り取ったものです。

「算定基礎届」は4~6月の3ヶ月間に支給された給与を合計して3で割った平均額が、現在適用されている標準報酬月額とどうなっているか比較して、9月から適用させるものです(実際の控除は10月から)

4月は昇給月という事業所も多いでしょうし、3月は期末で忙しく、4月に支給になる3月の残業代が多かったりすると、標準報酬も上がる可能性が高く、そこから一年間の標準報酬がほぼ決まってしまうので、よく4、5月は残業しないほうが良いと言われているのはそのためです。

一年のどこかで標準報酬月額の見直すにしても、支給額の上がりそうなこの3ヶ月間を対象期間としたのはなるほどですね。

普通に給与が支給され、4月昇給が行われていれば特に難しい作業ではないのかもしれませんが、ウチの事業所は変則が多いため、給与ソフトで打ち出したデータをそのまま提出することが出来ず、手間がかかります。

その理由のひとつには、4月昇給にもかかわらず、実際新給与で支給されるのが5月だったり6月だったりすることです。そうなると、「遡及支払」でその金額が表示されるのですが、

これまではその通りに備考欄に理由を書いて提出していたのですが、その枠の余裕もなくなり、あれこれやっているうちに混乱してまた、年金事務所に問い合わせることになってしまいました。

(以下、拙い説明ですが気力があったら目を通してみて下さい)

具体例をあげて、届出書の書式とは異なりますが、要点だけを表にすると

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・⑦⑧は給与計算ソフトにより自動的に表示される
・修正平均は手入力

ぱっと見、6月に昇給して遡及支払をしたのか、くらいはわかりますが、正確な昇給額はこれではわかりませんよね。

状況を説明すると、A子さんは4月昇給が間に合わなかったので、6月で4、5月の2ヶ月分を遡及支払しました。昇給額は5千円です。⑧の金額が1万円ではなく端数が出ているのは残業代があるためです。

⑮と⑯の差がかなりありますよね、これは大入袋的な一時金7万5千円が含まれているためで、⑭-75,000×1/3=⑯225,503となり、結果標準報酬月額は220千円で変わらず、ということになります。

大入り袋の7万5千円は右の備考欄の「⑨その他」に記入するとして、⑦と⑧はこのままの記載で良いのか(A子さん以外に他に数人このような記載がある)混乱してわからなくなり、年金事務所に聞いてみました。

さくっと、(算定前と)結果は変わらないが、4月昇給で6月遡及支払の場合はどう記入したら良いのか?と聞いたところ、そういう場合は遡及支払額を除いた合計を3で割って修正平均を出す、みたいな説明を始めたので、

えっ、それだと減ってしまうじゃないですか?と言ったら、「ちょっとお待ちください」と中断、他の人に確認したようで、⑦⑧の記載は不要で良いという回答でした。
バカ丁寧な言葉使いに神経が集中するのか、ひふみんのようなしゃべりになってしまう人が少なくない)

つまり、4月が昇給月でありながら、実際には6月に遡って支給した。でも、4、5、6月のこの3ヶ月間で完結してるのであえて記入しなくても良いということです。

(落ち着いて考えてみれば確かにそうです)

この算定基礎届の書式の⑦⑧というのは、例えば3月に昇給、4月に遡及支払をしたなどという場合に記入するようです。

給与19万円だった人が3月に1万円昇給して、4月遡及支払となった場合

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月 20万円+遡及1万円(3月昇給分)=21万円
5月 20万円
6月 20万円
合計 61万円-1万円(遡及支払)=60万円×1/3=20万円(修正平均)

⑦3月昇給 ⑧遡及支払額1万円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

同じバージョンで、月違いで

給与19万円だった人が1月に1万円昇給して、4月遡及支払となった場合(ここまで遡って支給することはないでしょうけど)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月 20万円+遡及3万円(1~3月昇給分)=23万円
5月 20万円
6月 20万円
合計 63万円-3万円(遡及支払)=60万円×1/3=20万円(修正平均)

⑦1月昇給 ⑧遡及支払額3万円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

修正平均額の数字になる理由を考えた場合、昇給額がいくらだったのか、ということは「算定基礎届」では重要ではなく、その対象期間に含まれない、はずす金額はいくらで何なのかがわかれば良いだけなんですね。

業務にかかわってる方ならごく当然の知識だと思いますが、年一度の作業なので忘れ、いろんな変則があり混乱、何年やっていてもこういうお恥ずかしいオチになります
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各保険料率(R01.7月現在)
        (本人)  (会社)
厚生年金保険料  91.50/1000 91.50/1000  (H29.10~)
雇用保険料   3/1000   6/1000   (H29. 4~)
子ども子育て        34/10000  (H31. 4~)
労災保険料         3/1000  (H30. 4~)
*雇用保険、労災保険料率は業種によって異なります。