【社会保険】4月に入社して4月中に退職した人の社会保険料はどうなる?

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昨日の記事で書いた「お知らせ」はいつもは見ずに捨てているのになぜか目にとまりました。

それには、子ども・子育て拠出金の料率変更以外にもうひとつあって、

「同月内に被保険者資格を取得・喪失した場合の取り扱い」とあり、

そのまま抜粋すると

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平成27年10月1日以降、厚生年金保険の被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失し、
その同月に国民年金の被保険者(第2号被保険者は除く)の資格を取得した場合には、
厚生年金保険料の納付は不要になり、国民年金保険料を納めることになりました。
この場、該当する被保険者が在籍していた事業所あてに、
年金事務所より厚生年金保険料の返還についてお知らせを送付いたします。

<例>H30.4.1厚生年金保険加入⇒H30.4.20退職⇒H30.4.21国民年金へ加入

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パッと読んだけでは理解できませんでした。

4月に入社して4月中に退職した場合(めったにあることではありませんが)
社会保険料は月単位の納付なので(年金も健康保険料も)控除していました。
(業務を行う立場なので「控除」で書きます)


これを読んで、

①厚生年金保険料の控除は不要になるとして、健康保険はどうなるのか?

②国民年金の被保険者(第2号被保険者は除く)のこの第2号の文脈での意味がわからない

③控除不要だと思ったのに、なぜ厚生年金保険料の返還についてのお知らせなのか?

がわからず、疑問に思ったので調べてみました。


①厚生年金保険料の控除は不要になるとして、健康保険はどうなるのか?

 健康保険料(介護保険料も)は控除するようです。

 ※でもまだ疑問があります、4月中で入社、退職し、
  すぐに別の会社に就職した場合はどうなるのか?
  私は4月の健康保険料を控除します、
  で、次の会社でも4月の健康保険料を控除されるでしょう?
  ダブルで控除されるので、加入する健康保険組合同士で精算するんでしょうか?

  健康保険組合に聞いてみたところ「そんなことはしない」と言われてしまいました。
  どうやら二重で(2ヶ所で)控除(被保険者として納付する)されるようです。

 ※厚生年金保険料の場合は、最初と次の事業所でそれぞれ控除されても
  最初の事業所で控除された分は後で返還されるようです。(二重で控除はされない)

②国民年金の被保険者(第2号被保険者は除く)のこの第2号の文脈での意味がわからない

 第2号被保険者とは厚生年金保険加入者のことですよね。
 4月中に入社、退職して、同月内に別の会社に就職せず、厚生年金保険に加入せず、
 国民年金保険に加入した場合は、厚生年金保険料の納付は不要とのことのようだと
 やっと理解しました。

③控除不要だと思ったのに、なぜ厚生年金保険料の返還についてのお知らせなのか?

 即、答えを得るために年金事務所に電話をかけたのですが、どうにも繋がりません。
 自動案内が振り出しに戻り、繰り返し聞かされること5回、諦めました。。。

 で、カリカリしながら自分なりに考えたり、調べて出した結論を書きます。

 「納付不要」と書いてはありますが、とりあえずは納付(控除)したほうが良さそうです。

 ここで言う「納付不要」というのは、(控除)しなくていいよ、
 という意味ではなく、

 年金事務所が(退職者の)国民年保険への加入が確認できたら、
 控除した厚生年金保険料は返還しますよという意味で、

 いったんは納めてもらいますが、その後にお返ししますよ、
 ということで「返還」と言っているようです。

 返還のお知らせが届いたら、事業所として返還請求し、
 その厚生年金保険料が事業所に振り込まれたら
 それを退職者に戻して下さいね、ということのようです。

 実務としてはその通りにやるか、もしくは退職者から控除せず、
 事業所としてその分を納付、返還されたら
 そのまま入金処理をすることもできるでしょう。ひと手間省けます。

 でも、その月の中で入社、退職するというのは円満な状況ではないですよね、
 そこで次の会社が決まってるのかとか
 国民健康保険に加入するのかとか、聞けますか??

 まあ、後で厚生年金保険料返すから口座番号教えて、と聞くのもねぇ。。。
 だったら控除しないほうが楽かな、とも思ってしまいますが、

 でも国民健康保険に加入すると確認したとしても、
 実際そうするかわからなことを考えれば、

 やはり控除したほうがいいだろうと思います

 マイナンバーが導入されたので、
 厚生年金保険から国民年金への切り替え状況の把握も楽になって
 こういうことが出来るようになったんでしょうね。

 まだ疑問に残ることはいくつかあるので、
 調べがついたら追加、もしくは修正していきたいと思います。


 レアケースとは言っても、起こる可能性はあるので、
 せめて一週間くらいは勤務して欲しいです。
 あるていどの金額がないと引こうにも引けませんから。

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【社会保険】4月から子ども・子育て拠出金の料率がアップ

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「同日得喪」の手続きも済んで、ほっとひと安心です。

社会保険料は一ヶ月遅れの控除なので、標準報酬に変動があっても月変とは異なり

いつもと同じように翌月にそれを適用して計算できるというのはとても楽です。



厚生年金保険料の領収済通知書に同封されているお知らせを見ると、

「子ども・子育て拠出金の率が改定されます」とありました。

今年度は労災保険料の変更のみ、と安心しきっていたのでドキっとしました。

「子ども・子育て拠出金」は事業所が負担するものなので、個人の給与の控除とか

関係ないので、もし気づくのが遅れても致命的なことではないんですけどね。

料率の変更は

[現行] 1000分の2.3% から [改定後] 1000分の2.9%

となります。

健康保険料や厚生年金保険料に比べれば、わずかな額の上昇ですが、

事業所の負担になることには変わりません。


厚生年金保険料率のアップは2017年9月で最後になりました。

いつも算定基礎(定時決定)後に、このアップが重なるので、

結構大変でした。(9月適用、10月控除)

今年からはそれがなくなるので、楽といえば楽にはなりますが、

それとは別に、こうやって他の保険料でジワジワと上げて行くのだろうと思います。

「子ども・子そだて拠出金」も雇用保険料も高い料率ではありません、

上げるにしてもわずかしか上げられないでしょう。

そうなると、所得税なり住民税なりで上げて行くのかもしれません。

介護保険料も今は40歳からの適用ですが、年齢を下げるかもしれませんよね。

消費税も上がっていきますし。。。

乱暴な言い方になるかもしれませんが、

所得に応じでシンプルに課税したほうが平等なんじゃないかと

思えてきます。


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【社会保険】原因と結果が逆になった場合は「月額変更届」は出さない

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ちょっとタイトルがわかりにくいかもしれませんが、昔そういうことがありました。

「月額変更届」というのは、固定賃金に変動があり、標準報酬月額に2等級以上の
差が生じた時に提出するのですが、

普通は

固定給が上がれば、標準報酬月額も上がり、

固定給が下がれば、標準報酬月額も下がります。

「下がる」ってことは、そんなに無いことですが、

例えば営業職から事務職になって基本給が変ったり、

役職が変ったりとか、手当が減ったり、

通勤費が減ったりした時に該当する場合があるんですが、

その時、その人は4月に昇給したんです。

にもかかわらず、

昇給前の標準報酬月額が32万円だったのに、昇給後が28万円になったので

標準報酬月額が2等級以上の差がついた!

単純に「月額変更」出そうと思いました、無知だったので(笑)

ただ、備考欄に理由をどう書けば良いかわからず、健康保険組合に聞いたところ

ベテランの人にそう言われてひどく怒られました。


昇給したのになぜ標準報酬月額が下がったかと言えば、
それ以前の残業代が多すぎたからです。

3月までに残業代が多いままにきて、4月以降に急激に減ったので、
昇給したにもかかわらず「減る」という結果になったのです。

普通の会社なら多すぎる残業時間は問題になるはずですが、
野放しというか誰も管理しなかったからです。

昇給したのに標準報酬月額が2等級下がった、

原因と結果が逆になった場合は「月額変更」は出さない

となればどうするのか、

定時決定、つまり「算定基礎届」で提出するのだそうです。


対象期間となるのはどちらも「4、5、6月」の3ヶ月間で同じですが、

その結果が反映されるのは月変なら7月、算定なら9月からなので、実際の控除は8月と10月からで

月変が適用とならないその人は
高いままの標準報酬月額で社会保険料が6ヶ月間控除され続けることになります。

抜け目ないというか、よくこういうこと考えつくもんですね。
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各保険料率(R01.7月現在)
        (本人)  (会社)
厚生年金保険料  91.50/1000 91.50/1000  (H29.10~)
雇用保険料   3/1000   6/1000   (H29. 4~)
子ども子育て        34/10000  (H31. 4~)
労災保険料         3/1000  (H30. 4~)
*雇用保険、労災保険料率は業種によって異なります。